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03 101年前の死者たちのレクイエム(鎮魂詩)

この写真は関東大震災の際の殃死者供養塔だ。

1923年9月1日正午ごろ大地震によっておこった火災は、瞬く間に燃え広がり、約27,000人が亡くなった。出火元は約300か所。死因の9割が焼死と言われる。この供養塔は、南区の、「蓮池坂」の途中に建てられているが、横浜の坂には、この殃死者の供養塔がいくつも見受けられ、(谷戸坂・大丸坂)火に追われ、逃げまどうハマッ子たちの壮絶な最後の姿を思い描くことができる。

そして残念ながら今!100年の間に風化して、市民の記憶の中から忘れた石碑になっている。今後約30年の間に大災害はやってくると言われている。さあ防災への意識を今持たなくてはならないとここに誓う。この供養塔は私にとって、死への恐怖、焼けただれた皮膚のにおい、追い重なる屍を連想させる。でも目を背けてはならない。この供養塔のメッセージは101年前の非業の死を遂げた死者たちが伝えるレクイエムなのだから。